近年ではアパートやマンションをはじめ、さまざまな物件でフローリングが敷き詰められていることも多くなってきました。3LDKなど大きな物件では和室を設けて畳部屋を作るケースもありますが、多くの場合では床材にフローリングを用いることが一般的です。

この記事では、フローリングがなぜ定番として人気を集めているのか、フローリングのメリットやお手入れ方法についてご紹介します。

◆フローリングが定番な理由とは?

多くの物件では、床材にフローリングが用いられています。ひとことでフローリングといっても、単層フローリングや複合フローリングといった種類があります。使われている素材や木材、デザイン性などが異なるものの、その多くで機能性に優れていることが特長です。

<単層(無垢)フローリングとは>

単層フローリングとは、端的に言えば天然素材をそのまま切り出した材木です。1枚板として床材に使用しており、木材の持つ調湿機能によって足触り・肌触りの良いフローリングとして人気を集めています。

とはいえ、天然素材をそのまま活用しているため、使う木材によっては傷がつきやすい、振動や音が伝わりやすいといったデメリットも。高級素材のため風合いや見目の良さは優れているものの、一長一短の性質を持ち合わせています。

<複合フローリングとは>

複合フローリングとは、合板などをベースに化粧木材などで特殊加工を施したフローリングです。特殊なコーディングによって傷や汚れにも強く、衝撃などの耐性にも優れています。「既存の床の上に更に置く」といった選択もできるため、リフォームにも最適です。

複合フローリングにはさらにいくつかの種類が設けられていますが、基本的にはいずれもメンテナンス性に優れています。

◆フローリングのメリットはお手入れがしやすい

一般家庭で定番のフローリングにはいくつかのメリットがあります。中でも代表的なメリットは、お手入れがしやすいといった点でしょう。

畳は天日干しや乾燥、ダニ対策などある程度のメンテナンスが必要になり、ちょっとした拭き掃除だけでは手入れが行き届かないケースもあります。また、高温多湿の地域では手入れを怠るとカビが根付いてしまう原因にもなるため、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。

一方で、フローリングは表面が均一でゴミが内部に入り込まず、掃除機だけでお手軽に清掃できます。また、モップやワイパーなどの拭き掃除でも簡単にお手入れできます。

◆フローリングのお手入れ方法

フローリングのお手入れは、畳と違ってほとんど特別なお手入れは必要ありません。掃除機や一般的な拭き掃除で十分汚れを取り除けるほか、単純な清掃であればメンテナンスを行う必要もありません。

ただし、フローリングはパッと見キレイに見えていても、「気付いたら汚れが溜まっていた」というケースも。2~3週間に一度は軽い水拭きなどで汚れを取り除いておきましょう。

その際に油汚れが見受けられた場合は、重曹を使ってみると汚れを除去しやすくなります。また、ちょっとしたカビなどはアルコールスプレーで除去することもできますが、表面のワックスを剥がしてしまう場合もあるため、まずは目立たない箇所で試してみることが大切です。

<”ワックスがけ”は汚れ防止に役立つ>

フローリングのお手入れ自体はとても簡単ですが、半年~1年に一度はワックスがけをしてメンテナンスすることをおすすめします。ワックスがけをすれば、しばらくの間汚れが付きにくくなり、艶出しも出るといった効果が期待できます。

<ワックスがけの手順>

はじめに、モップや掃除機を使ってフローリングの表面に残るゴミを取り除きましょう。次に、ワックス取りの薬剤など使ってワックスを一度剥がします。

最後にフローリング全体に一方方向へ向かってワックスがけをすればメンテナンスは完了です。なるべくムラをなくして薄く均一に塗ることで、きれいなフローリングを維持することができます。60分ほど経ったら乾燥を確認して、もう一度同じ方向に向かってワックスを重ねがけしましょう。

ワックスを使ってフローリングをコーティングすれば、汚れ防止に役立つほか、床が光を反射してお部屋全体を明るい雰囲気にする効果も期待できます。

◆フローリングをお手入れするときの注意点

一般的なフローリングのお手入れでは、アルコール類利用時のワックス溶けに注意する必要があります。言い換えれば、普段のお手入れではサッと拭き掃除で簡単に済ませられるため、床材の中でもメンテナンスの負担が大きく軽減されていることが特長です。

一方で、フローリングは家具を移動させるときなど、ちょっとしたミスで微細な傷が付いてしまうことがあります。さらに、重い家具などによってフローリングに凹みができるなどの歪みが生じてしまうケースにも注意が必要です

そのため、フローリングでお手入れをする際に家具を移動させる場合は、傷防止用の専用シートやマットを事前に敷くことをおすすめします。傷を未然に防ぐ効果を期待できる商品が多く存在するため、フローリングのお手入れをする前に一度チェックしておきましょう。

◆フローリングは定期的なお手入れで長持ちさせよう

フローリングは定期的な掃除やメンテナンスを行えば、いつでも清潔でピカピカな状態を維持しやすくなっています。畳などに比べると湿気などにも強いといったメリットがあり、高温多湿の日本でも人気を集めています。

一方で、完全に手入れを怠ってしまうとワックスが剥がれてしまったり、汚れが蓄積していったりしてしまう場合も。定期的にお手入れをして、クリーンで快適な室内を維持することを心掛けましょう。