土地を売買するとき、「1坪何円」という言葉を耳にする方も多いでしょう。日本の建築業界では、建物が建設されている土地を「坪」と表記するのが一般的です。そんな「坪」は土地売買のモノサシとして使われますが、いったいどの程度のサイズを指すのか分からない人も多いかもしれません。

この記事では、坪単価とはいったいなにか、判断する目安や単価が変動する理由についてご紹介します。坪単価がどのような条件で定まるかもご紹介しますので、あわせてご参照ください。

坪(つぼ)とは?

坪とは、端的にいえばその土地や建物の広さを表す単位のことです。”尺貫法”の単位のひとつで、1坪は3.3㎡、2畳分の広さと定められています。つまり、「100坪=200畳」という計算方法です。

坪単価の目安

坪単価は、建築物を建てる際に「1坪あたりどの程度の費用がかかったのか」を示します。”土地の価値”ではなく、あくまでその建物の価値を坪換算で割ったときの費用が坪単価です。

そのため、基本的には「本体建築費÷延べ床面積」で算出することが可能です。たとえば、本体価格が4,000万円の工事費により、40坪の範囲で建物を建築した場合、以下の計算式となります。

4,000万円(本体工事費)÷40(坪数)=100万円(坪単価)

坪単価を参照にすれば、土地の広さ等と比較することで「建築費にいくらかかったのか」といった工事費用を参照できます。ただし、あくまで建物本体の工事費をもとに坪単価を算出するため、その他の付帯工事費等を含めるとよりコストが掛かっているのも事実です。

基本的には、総工事費の7割ほどが本体建築費だとされています。

坪単価を算出するメリット

坪単価は、「1坪あたりどの程度の本体工事費用がかかったのか」を算出する計算方法です。そのため、坪単価を算出すればその物件が持つコストパフォーマンスを把握できます。

内装や設備面、構造の違いによって実際の工事費は異なるものの、自身の予算にマッチした物件探しを行いやすくなる点がメリットです。

ただし、坪単価はあくまで参考に過ぎません。坪単価だけで中古物件を評価することはあまりおすすめできないため、建物の比較検討を行うとき参考にする程度にしておきましょう。

坪単価が変動するポイントとは?決め方の違い

坪単価を算出するときは主に4つのポイントをチェックする必要があります。

  • ・算出に用いる面積の算出法
  • ・建築物以外の費用
  • ・家のカタチによって坪単価が変動することも

それぞれのポイントをご紹介します。

坪単価の算出は「延べ床面積」と「施工床面積」の違いがある

坪単価は「本体建築費÷延べ床面積」で算出できると述べたものの、「本体建築費÷施工床面積」を活用する不動産会社も存在します。

・延べ床面積

建物の各階における床面積の合計を指し、ベランダやロフトなどは含まれない。

・施工床面積

建物の各階における床面積に加えて、バルコニーや玄関などを含む。

そのため、「延べ床面積」を使って坪単価を算出した物件に比べると、「施工床面積」は安い坪単価に収まる点に注意が必要です。費用感が異なってしまうのを避けるためにも、坪単価の算出方法についてチェックしておきましょう。

建築物以外の費用が含まれている可能性も

坪単価は、通常だと建築物本体の工事費を延べ床面積で割って算出します。しかし、物件によってはカーテンや照明など、本体工事費には含まれないコストまで含まれているケースがあります。

坪単価の算出で費用感が少し異なってしまうため、本体工事費のみか、付帯工事費等を含むのか確認しておきましょう。

家のカタチによって坪単価が変動することも

坪単価は本体建築費をもとに算出するため、複雑な工法や技術、貴重な建材などが含まれていれば坪単価も高騰します。たとえ同じ坪数や似たような物件でも、基礎の面積や建築の凸凹具合などが異なることで坪単価も大きく変動するため注意が必要です。

まとめ

坪単価とは、建築物を建てる際に「1坪あたりどの程度の費用がかかったのか」を示す単語です。本体工事費を延べ床面積にて割ることで算出が可能で、建物のおおよそな費用感を掴むことができます。

とはいえ、坪単価を算出する計算方法にはいくつか違いが存在しており、場合によっては「坪単価の安い物件のほうが好条件だった」というレアケースも存在します。そのため、坪単価はあくまで物件を探すときの費用目安に抑えることが大切です。

実際の条件等は物件をしっかりとチェックしておきましょう。もし物件探しでお悩みの場合は、ぜひ弊社スタッフまでお気軽にご相談ください。坪単価だけでなく、お客様のご予算にあった中古物件を探すサポートもさせていただきます。