日本は自然災害が頻繁に起こる国であり、震災対策は不可欠です。そのため、防災・減災を目的としたリフォームが近年多くの注目を集めています。これは、地震の被害を最小限に留めるための仕組みや、災害後の生活をサポートする工夫に焦点を当てています。万が一の事態に備えるためにも、これらの取り組みについて知っておくことが重要です。

この記事では、防災・減災リフォームの概念、災害発生時に遭遇しやすい問題点、そしてそれらに対処するリフォームの具体的な例を紹介します。

日本における自然災害の高リスクとその対策

自然災害は台風、浸水、地震、火山噴火など多岐にわたります。日本は世界的に見ても自然災害が多発する国であり、災害発生のリスクが非常に高いとされています。内閣府の令和5年度版防災白書においても、10年前に南海トラフ地震(マグニチュード8~9級)の発生確率は60%~70%としていたが、令和5年の最新の評価では、この確率は70%~80%に上昇しており、地震発生の可能性は時間が経過するにつれて高まっていると記されています。

ここ沖縄本島は離島であり、360°海に囲まれた圏域です。外部への即時の避難は困難であり、救援物資の到着にも制約があることが想定されます。

いつどのような災害が起こるか分からないだけに、被害を最小限に抑える防災・減災リフォームへの関心は高まるばかりです。

災害に強い住まいへ

防災・減災リフォームは、災害発生時や災害後の対策として住宅に施される様々な改修を指します。ハウスメーカーによって提供されるリフォームの内容は異なりますが、共通しているのは家族を災害から守り、生存率を高めることを目的とした改修です。

例えば、地震による窓ガラスの破損は、足の怪我など二次災害を引き起こし、避難生活に影響を及ぼすことがあります。このため、割れにくい窓ガラスへの交換や、緊急時の足元を照らす保安灯の設置など、様々な防災対策が重要視されています。

また、一部のリフォームでは、建物内で最も安全な場所を特定し、緊急避難所として活用できるようにするなど、より大規模な改造を行うケースもあります。

災害時に生じるライフラインのトラブルとその対策

防災・減災リフォームは重要ですが、「必要性を感じない」という声もあります。しかし、災害時に起こり得るライフラインのトラブルを考慮すると、その重要性が明らかになります。

電気が止まる
大災害時には、電柱の倒壊や配電線の損傷により、電力供給が停止することがあります。例えば、東日本大震災では計画停電により多くの地域で電力供給が断たれました。電気がないと、生活に必要な様々な設備が使えなくなり、食料を保存している冷蔵庫も機能しなくなります。

断水する
水道は生活に欠かせないライフラインです。大災害で断水すると、飲用水の確保や衛生面での問題が生じます。給水車から水を入手できても、生活の質が大きく低下することは避けられません。

家の設備が壊れる
地震や台風などの災害で、家の設備が破壊されることがあります。耐震性が高い家屋であっても、内部の揺れにより家具や家電が倒壊する危険があります。このため、家具のストッパーやその他の耐震対策も重要となります。

通信障害
携帯電話やインターネットサービスが使えなくなることがあります。これは、通信網の損傷や過負荷によるものです。対策としては、緊急時用の衛星電話の準備、ラジオで情報を得る、事前に家族や友人と連絡取り合う方法を決めておくことなどが挙げられます。

交通網の寸断
地震や洪水により道路が寸断され、交通手段が利用できなくなることがあります。これにより避難や救援物資の供給が困難になる場合があります。対策としては、自転車を用意しておく、避難経路を複数確認しておくなどが考えられます。

自然災害に対応する防災・減災リフォームの実践的事例紹介

日本では、自然災害のリスクを前提に建物が建てられることが多く、特に地震大国として知られる日本では、厳格な耐震基準に基づいた耐震性の高い建物が数多くあります。近年、この耐震性に加えて、様々な防災・減災リフォームが注目されています。

耐震補強
既存の建物に耐震補強を施すことで、地震の際の建物の倒壊リスクを軽減します。これには、柱や梁の補強、耐震壁の追加などが含まれます。

防水性の高い材料の使用
洪水や浸水に強い防水性の高い建材を使用することで、水害時の被害を減少させることができます。これには、防水壁材、床材の選択や、家具の高い位置への設置などが含まれます。

シャッター
台風の多い沖縄では、窓ガラスの破損を防ぐためのシャッターの設置が進んでいます。これにより、強風による被害を軽減することが可能です。

窓ガラスのリフォーム
台風だけでなく、地震による窓ガラスの破損を防ぐため、防災ガラスへの交換が進んでいます。これは、ガラスの飛散を防ぎ、震災後も室内の生活水準を保つのに役立ちます。集合住宅などで大規模なリフォームが難しい場合は、飛散防止フィルムの使用も一つの解決策です。

貯湯タンク付きの家庭用給湯設備
断水時の生活の質を保つため、貯湯タンク付きの家庭用給湯設備の導入が増えています。これにより、飲料水を含めて一定期間の生活を支えることが可能になります。

太陽光発電・蓄電システム
電力供給が途絶えた際に、太陽光発電や蓄電システムを利用することで、最低限の家電の使用や情報収集が可能になります。

レジリエンス住宅(ルーム)へのリフォーム
災害時に身を守るための専用防災ルームの設置も注目されています。建物内の最も安全な場所に設けられ、緊急時に必要な物資や設備が備えられます。これは万が一の避難場所としても機能し、様々な災害からの保護を提供します。

安全と快適さを守るため防災・減災リフォームを!

日本のような自然災害が頻繁な地域では、大切な自宅が地震によって被害を受けることは珍しくありません。そのため、防災・減災リフォームにより被害を最小限に留めることが非常に重要です。

このようなリフォームは、震災時の安全を確保するだけでなく、災害後の生活水準を維持するのにも役立ちます。台風、地震、洪水など、様々な自然災害に備えることを考えている方は、防災・減災リフォームを検討することをお勧めします。