不動産の売買においては、通常「不動産仲介会社」を通じて取引が進められることが一般的です。仲介会社は、契約や法律に関する手続きをサポートしてくれますが、信頼できない業者に依頼してしまうとトラブルを招くリスクもあります。

また、仲介会社を通した取引に限らず、不動産売却ではさまざまなトラブルが発生する可能性があります。

この記事では、不動産売却における具体的なトラブル事例と、それぞれの対策について詳しく解説します。

不動産売却で起こりがちなトラブルとその対策

不動産売却では、時折さまざまなトラブルが発生することがあります。しかし、事前にどのような問題が起こり得るかを把握しておけば、適切な対策を講じて冷静に対処することが可能です。

ここでは、不動産売却においてよく見られるトラブル事例とその防止策について解説します。

手数料に関するトラブル

不動産売却では、仲介手数料に関するトラブルが多く見られます。不動産仲介会社に売却を依頼する場合、仲介手数料が発生するのが通常ですが、手数料に関する説明が不十分でトラブルになるケースが見受けられます。

法律では、仲介手数料の上限額が以下のように定められています。

200万円以下の場合
仲介手数料:売却価格 × 5% + 消費税

200万円超〜400万円以下の場合
仲介手数料:売却価格 × 4% + 2万円 + 消費税

400万円超の場合
仲介手数料:売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税

上記の金額を超えた仲介手数料を請求されていないか、契約書の内容を確認することが重要です。また、「仲介手数料無料」と謳いながら、コンサルティング料などの名目で高額な費用を別途請求されるケースもあるため、注意が必要です。

手数料に関するトラブルを防ぐためには、契約書の内容をしっかりと理解し、気になる点があれば弊社スタッフにご相談ください。信頼できるサポートを提供いたします。

物件に関するトラブル

不動産売却では、物件に関連したトラブルも少なくありません。その中でも代表的なのが、売り主が把握していなかった「建物の瑕疵(かし)」です。たとえば、購入時には気付かなかった建物の欠陥が後に発覚すると、契約不適合責任が生じ、売り主が責任を負うことになります。

具体的な例としては、建物の土台部分がシロアリによって深刻なダメージを受けていたり、配管の水漏れが発生していたりするケースが挙げられます。これらの問題を契約書に記載せずに売却した場合、売却後に発見されたトラブルについて、売り主が賠償責任を問われる可能性があります。

多くの場合、売り主は建物の問題を事前に伝えた上で取引が行われますが、売り主自身も知らなかった「隠れた瑕疵」が後から発覚し、予期しないトラブルへと発展することも少なくありません。

こうした物件に関するトラブルを防ぐためには、住宅診断(インスペクション)などを行い、事前に建物の状態を確認することが重要です。また、契約書には「購入の意思決定に影響を与える重要な情報」を明確に記載しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

支払い遅れに関するトラブル

不動産売却では、購入者側からの支払い遅延によるトラブルも頻繁に発生します。代表的な事例として、物件を売却した後に前払い金以降の支払いが滞るケースがあります。

よく見られるケースのひとつは、買い主が頭金を準備できたものの、ローン審査に通らず、残額を支払えなくなったというものです。このような事態に巻き込まれると、追加の手続きや交渉が必要となり、売却プロセスが複雑化します。そのため、売却前に金銭的なトラブルが発生しないように確認しておくことが重要です。

対策としては、買い主がローンを利用して購入する場合、売却前にローン審査が通っているかどうかを確認することが有効です。また、ローンが承認されなかった場合の対処法を契約書に明記し、双方でその内容をしっかり確認しておくことも重要です。

設備故障に関するトラブル

不動産売却でよく見られるトラブルの一つに、設備の故障があります。配管のトラブルはもちろん、キッチンやバスルームの水回り設備、ガスや給湯器、さらにはコンセントなど、物件内の全ての設備に問題がないか事前に確認しておくことが重要です。

物件の引き渡し後に設備が故障すると、買い主とのトラブルに発展する可能性が高まります。

このようなトラブルを防ぐためには、各設備を一つずつ確認し、チェックリストを作成することが有効です。さらに、最後のメンテナンス日や設備の導入日を買い主に伝えることで、設備に不具合があった場合にも、売り主の責任を明確にすることができます。これにより、問題発生時のトラブルを最小限に抑えることが可能です。

環境的瑕疵に関するトラブル

不動産売却において、周辺環境に関する情報を十分に伝えないことも、トラブルの原因となることがあります。以下のような環境要因を買い主に伝えないと、「環境的瑕疵」として問題が生じる可能性があります。

墓地や葬儀場、その他公序良俗に反する施設の存在
これらの施設は、心理的な影響を与え、買い主が落ち着かないと感じる要因になることがあります。

近隣での高層建物や大型店舗の建設予定/建設中
建設中や今後建設予定の施設がある場合、日当たりの悪化や景観への影響が懸念されます。

工場や家畜場、ゴミ処理場などの存在
これらの施設が近くにあると、煙や悪臭による問題が発生しやすくなります。

航空施設や物流倉庫が近い
騒音が原因で、住環境が悪化することがあります。

元の所有者にとってはさほど気にならない環境要因でも、新しい買い主にとっては大きな問題に発展することもあります。そのため、たとえ些細なことでも、環境的な要素は包み隠さず買い主に伝えることが最善です。

もし意図的に環境的瑕疵を隠した場合、契約不適合責任を問われ、免責条項が適用されないリスクがあります。

不動産売却のトラブルを避けたいなら「買い取り」も有効な選択肢

不動産売却に伴うトラブルを避けたい方には、弊社などの不動産会社に「買い取り」を依頼する方法がおすすめです。

個人で不動産を売却するのは難しいため、通常は「仲介会社」を通じた売却が一般的です。しかし、仲介売却の場合、購入希望者が現れるまで時間がかかり、すぐにまとまった資金を得ることができなかったり、買い主との間でトラブルが発生するケースも少なくありません。

その点、不動産会社への「買い取り」を利用すれば、専門家が物件を調査し、速やかに契約売買を進めます。さらに、売却後の瑕疵に関しても心配する必要がないため、安心して取引を完了できるというメリットがあります。

売主・買主の双方にとって、トラブルを避けることは重要です。不動産売却をご検討の際は、ぜひ弊社スタッフまでお気軽にご相談ください。