2020年は新型コロナウイルスに振り回された1年でしたが、年が明けた2021年もその脅威は続きそうです。ようやく日本でもワクチン接種が開始となりましたが、その効果や副反応といった不明確な部分もあり、まだまだ気を抜けない状況です。そのような中で私たちにできることといえば感染予防に他なりません。WITHコロナや新しい生活様式による“おうち時間”が増えている中、室内の換気と消毒が例年にも増して重要となっています。換気・消毒に関する正しい知識を身につけ、快適な“おうち時間”を過ごしたいものです。

◆外出後にはしっかりと換気しましょう!

2003年7月以降に建設された物件では、改正建築基準法によりシックハウス症候群の予防のため24時間換気が義務付けられています。ただし、それだけでは不十分とも言えます。建築基準法によると24時間換気システムとは、「1時間で部屋全体の空気の半分以上が入れ換わることが必要」と定められてはいますが、あくまでそれは最低基準であり、法改正以前の物件ではさらに難しいのです。室内の換気に最も効果的なことは、2方向の窓を開けることによる窓開け換気です。

では、窓を開ける回数や時間についてはどうでしょうか。日本建築学会や空気調和・衛生工学会では、換気についてこう述べられています。

「よく間違えられるのが、換気回数という用語です。換気回数 2 回/時は1時間に2度窓を開けることと誤解されていることがあります。換気回数とは1時間に部屋に入る外気量(立米)を室容積(立米)で割ったものです。換気回数は室内の空気の入れ替わりのスピードを表す指標です。つまり換気回数が大きいほど、汚れた室内の空気を外気で希釈し、速く入れ替えることができます。」

つまり、部屋の数や大きさによって換気の時間などは異なります。重要なことは、空気の流れが生まれているかを意識しながら換気することです。

上記の内容に加えて、

  • ・通常の家庭用エアコンやパッケージエアコンは空気を循環させるだけで、換気を行っていないので、エアコンを ON にしたから大丈夫という訳ではない
  • ・窓開け換気や設置されている場合には換気システムの運転を推奨
  • ・空気清浄機が部屋全体に対して新型コロナウイルス対策に充分効果があるかどうかは不明

とも述べられています。イメージのままに換気するのではなく、情報をしっかり理解したうえで換気を行うことで、ウイルス対策だけでなくカビやダニなどを防ぐことにも繋がります。

参考データ:換気 – 日本建築学会

◆換気に加えて消毒もしましょう!

厚生労働省の発表では、コロナウイルスは飛沫感染と接触感染により感染すると考えられています。感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)でウイルスが放出され他者が口や鼻から吸い込み感染するのが飛沫感染、感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後に周りの物に触れ、他者がそれらに触れることにより感染するのが接触感染です。外出時はマスクの着用、帰宅後すぐに手洗いとうがいを行うことは、既に多くの方々が習慣化されていると思います。ですが、部屋の消毒はどうでしょうか?部屋の中で手指がよく触れる場所を消毒することも大切です。

【主な消毒場所一覧】

居間や食事部屋

ドアノブ、窓の取っ手、照明のスイッチ、ソファー、テーブル、椅子、電話機、コンピューターのキーボードとマウス、小児玩具、壁、床等

台所・トイレ等

水道の蛇口、シャワーヘッド、洗面器、ドアノブ、窓の取っ手、照明スイッチ、浴槽、 排水溝、水洗便器と流水レバー、便座とフタ、汚物入れ、壁、床等

衣類・寝具

通常の洗濯機で問題ないと言われていますが、気になる場合には、熱湯消毒(80℃、10分以上)してから洗濯機にかけます

【消毒薬と使用方法】

手など皮膚の消毒を行う場合には消毒用エタノールを使用しますが、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウムが有効であることが分かっています。室内換気しながらマスクとゴム手袋を着用の上、製品に記載されている用量に希釈して、ペーパータオル等に十分に薬液を含ませて拭き、自然乾燥させます。濡れている場合には水分をふき取った後、ペーパータオル等に十分に薬液を含ませて拭いて下さい。

その他

アパート・マンションなど共同住宅で注意が必要な個所は、エレベーターでしょう。エレベーターは密閉、密接の空間でもあります。乗り合わせた人の飛沫も注意したいですし、多くの人が触れるボタンも気を付けたい箇所です。触れたあとに顔(主に口や鼻)に触れないようにして、すぐに消毒を心がけましょう。

参考データ:新型コロナウイルス感染予防の為の消毒方法 – 沖縄県保健医療部 地域保健課

◆まとめ

いかがでしたでしょうか?換気や消毒に対する正しい知識を身につけ、習慣化させることが重要です。3密を避けながら、規則正しい生活、バランス良い食事、適度な運動を意識し、一人ひとりが免疫力を高めていきましょう!

参考サイト:首相官邸厚生労働省