沖縄の伝統品とも言われる「赤瓦屋根」ですが、近年ではそのような歴史ある古民家が少なくなってきました。古き良き伝統ではあるものの、リフォームをするときに赤瓦屋根の採用をやめてしまう方も少なくないようです。

この記事では、古民家の赤瓦屋根を維持したままリフォームができるのか、赤瓦屋根が持つメリット・デメリットについてご紹介します。

赤瓦屋根は沖縄伝統品として人気が集まっている

沖縄の伝統工芸品としても知られる赤瓦屋根は、「沖縄赤瓦」や「琉球赤瓦」の名前でも知られています。優れた吸水性を持っており、急なスコールがあっても水分を吸収できる点がメリットです。

また、水分を蒸発させる能力にも長けているため、晴れた後に溜め込んだ水分を適度に蒸発させられるのもポイント。水分の蒸発時に熱を逃すため、室内を涼しくする効果も期待できます。

そんな赤瓦屋根は室内を快適な温度に保ちやすいと評価されており、沖縄の歴史ある伝統品も相まって、近年では「沖縄の雰囲気を味わえる赤瓦屋根が欲しい」と沖縄以外の地域で導入を考える人も増えています。

古民家ならあえてリフォームで残す選択肢も

赤瓦屋根は沖縄で古くから見られる工芸品ですが、その多くは築40年を超える古民家です。築年数の長い建物は耐震性などの観点からリフォームするケースが増えていますが、そのタイミングに合わせて赤瓦屋根の導入をやめてしまう人もいます。

とはいえ、「先代から受け継いできた歴史を残したい」と考える人もいるでしょう。そのようなときは、赤瓦屋根の古民家をリフォームするとき、あえて赤瓦屋根を残してみるのもポイントです。

伝統を残しつつ沖縄の雰囲気も味わえるため、カフェや宿泊施設など、自宅以外としての用途を探してみるのも選択肢に残ります。もちろん、愛着の湧くマイホームとして赤瓦屋根を使った自宅を用意するのもおすすめです。

赤瓦屋根の古民家を購入・売却するときは状態をチェックしよう

赤瓦屋根は沖縄以外の地域でも注目を集めているとはいえ、沖縄県内で残っている赤瓦屋根のお家のほとんどは、築数十年が経過した古民家です。そのため、建材や設備などに劣化している面が多々見かけられます。

建物によっては、床材が痛み歩くだけで凹んだり、ギシギシと音鳴りするようなケースも。状況に応じて床の全面張り替えも検討が必要です。ほかにも、雑草が放置された結果建物内部にまで侵食している事例も存在します。

歴史のある建物だけに仕方のない面はあるものの、赤瓦屋根の古民家をリフォームするときは建物全体の状態をチェックしておきましょう。木造建築で建設されている古民家が多くなっているため、シロアリ被害等にも注意する必要があります。

赤瓦屋根を使うメリット・デメリット

歴史を感じる赤瓦屋根だからこそ、リフォーム時に「あえて現在の雰囲気を残したい」と考える人も少なくないでしょう。ここでは、赤瓦屋根を使うメリット・デメリットについてご紹介します。

赤瓦屋根のメリット

赤瓦屋根が持つ大きなメリットは、沖縄地方の天候によくマッチしている点です。たとえば、沖縄の夏場でよく見られるスコールも、赤瓦屋根が持つ水分の吸収&蒸発能力によって、室内の温度を下げ逆に快適になるメリットがあります。

断熱性にも優れているため、太陽光の熱を反射するほか適度な放熱性も持ち合わせています。夏場は涼しい環境を、冬は暖かい空間で過ごしやすい点も赤瓦屋根が持つメリットです。

また、台風などで屋根が損傷を受けると広範囲の補修作業が必要になりますが、瓦屋根なら損傷を受けた瓦部分のみを交換するだけで良いメリットもあります。細かい範囲で補修作業を行えるため、補修費用も安く抑えやすくなっています。

さらに、赤瓦屋根自体の寿命は50年から100年ほどと言われており、優れた耐久性を持つのもポイント。部分的に手入れをして管理費用を抑えられたり、沖縄の雰囲気を感じられる美観性だったり、機能面もあわせて赤瓦屋根にはさまざまなメリットが存在します。

赤瓦屋根のデメリット

赤瓦屋根は沖縄の天候にマッチした機能性を合わせ持っているものの、台風や地震などで被害を受けてしまう可能性があります。また、沖縄では強風で赤瓦屋根が飛ぶことを防ぐため、瓦の隙間に漆喰を塗っています。

赤瓦屋根の隙間に漆喰を塗ることで、ほかの地域に比べると、強風や地震で瓦が落ちにくくなる点はメリットです。しかし、耐久性の高い赤瓦屋根とは違って漆喰自体の耐久性が低いため、漆喰による定期的なメンテナンスが必要になってしまうデメリットがあります。

伝統工芸品の赤瓦屋根はあえて残すのも選択肢のひとつ!

沖縄の伝統工芸品とも言える赤瓦屋根は、沖縄の天候にマッチした機能性を持っており、快適な環境で過ごしやすいメリットがあります。美観性にも優れており、近年では沖縄以外の地域でも導入したい!といった声も。

とはいえ、現在赤瓦屋根を使っている古民家の多くは築50年近く経っており、耐震性などを含めていくつか心配要素が残るのも事実です。

なかには「解体する」といったご判断をされる方もいますが、歴史・文化的な観点から見ても、赤瓦屋根の古民家はとても貴重な建物です。解体のご判断をされる前に、ぜひ一度弊社までご相談ください。

先代から引き継がれた大切な財産を、子供やお孫さんに引き継ぐことができるよう、最大限のサポートをさせていただきます。また、お客様が住居用以外の選択肢をお選びの場合は、それに見合った活用方法をご提案させていただきます。

赤瓦屋根の外観や古民家の雰囲気を残しつつリフォームを考えている方は、ぜひてだこ浦添本店スタッフまでお声がけください。