現代の日本では平均世帯人数が減りつつあり、核家族や単身世帯が急増しつつあります。そのような背景から「二世帯住宅の利用者が少ない」と考えがちですが、実のところ近年では二世帯住宅へのリフォームが一定の需要を保っているのも事実です。

この記事では、二世帯住宅へのリフォームを考えている人へ向けて、代表的な間取りや、間取りを決めるときのポイントについて解説します。

二世帯住宅リフォームとは

二世帯住宅リフォームとは、「親・子・孫」など複数の世帯が同居・隣居するための物件にリフォームすることです。お風呂やトイレ、キッチンなどの生活スペースを共有したものだけが二世帯住宅だけでなく、同一の土地に2つの住宅を隣接して設置する手法も近年では人気を集めています。

昭和60年頃から平成20年における調べでは、二世帯住宅等のリフォーム目的は5%程度だったのに対し、平成25年には二世帯住宅リフォームが10%と倍増。今後も二世帯住宅リフォームを利用する人は増えるとされており、それぞれの種類や間取りの特徴を押さえておくことが大切です。

二世帯住宅リフォームの代表的な間取り

二世帯住宅へリフォームする際は、代表的な間取りを把握しておきましょう。特に、家族同士の距離感を大切にしたい場合は、それぞれの間取りがもつメリット・デメリットを踏まえた選択が大切です。

ここでは、二世帯住宅リフォームの代表的な間取りについて紹介します。

完全同居型

二世帯住宅リフォームにおける「完全同居型」は、1つの住宅内で複数世帯が共同生活を送るスタイルです。親世帯と子世帯がそれぞれ同一の生活スペースを共有するため、より密着したコミュニケーションを維持しやすいメリットがあります。

そのため、介護や育児の支援が行いやすいのも、完全同居型のメリットです。リビングやキッチンなどの、共有スペースが多いため家族間の交流が活発になります。自然と顔を合わせる機会が増えるため、助け合いの精神が根付きやすいのもメリットです。

一方で、両者にストレスがもっとも溜まってしまう間取りともされています。お互いの反りがあわなければ同居したことを後悔してしまうケースも少なくないため、完全同居型の二世帯住宅リフォームでは、両世帯でよく話し合う必要があります。

部分共有型

二世帯住宅リフォームにおける「部分共有型」は、一部の共有スペースは持ちつつも、それぞれの世帯が独立した生活を送れるスタイルです。お互いのプライバシーを確保しつつ、家族とのつながりも大切にできるメリットがあります。

そのため、コミュニケーションとプライバシーを両立させられるのもメリットです。共用のリビングや玄関を設けつつも、各世帯に独立したキッチン・浴室がある間取りで、朝の混雑などを避けられるメリットもあります。

家族同士の距離感を適切に保ちながら、助け合いもできる間取りです。「完全分離型」よりも、必要なリフォームコストが低い傾向にあります。

完全分離型

二世帯住宅リフォームにおける「完全分離型」は、親世帯と子世帯がそれぞれ独立した空間で生活するスタイルです。二世帯住宅リフォームの間取りで、もっともプライバシーを確保しやすいため、自立した生活を送りやすいメリットがあります。

完全分離型は玄関を始めとして各空間が物理的に隔たれているため、互いの生活に干渉しにくいメリットがあります。親世帯・子世帯で助け合いはしたいものの、根本的なプライバシーは確保しておきたいシーンに最適の間取りです。

同一建物内でも、階や玄関が分かれているため、自分たちのペースで生活を楽しめます。その一方で、ほかの間取りよりも家族同士のコミュニケーションが少なくなる傾向にあるため、意識的な交流を図る工夫が大切です。

二世帯住宅リフォームで間取りを決めるポイント

二世帯住宅リフォームを行うときは、自分たちの生活スタイルや、将来性を考慮した選択が大切です。合わない間取りを選択してしまうと、世帯間でいざこざやストレスが溜まってしまい、お互いのクオリティ・オブ・ライフに影響を受けてしまうおそれがあります。

ここでは、それぞれの視点からリフォームをするときのポイントについて解説します。

生活スタイル

生活スタイルを考慮した間取り選びは、快適な二世帯生活に繋がります。結論として、家族のニーズや価値観を把握し、それに合った間取りの選定が大切です。

たとえば、「父方の親世帯と同居を考えている一方で、母親サイドは義両親とのコミュニケーションを避けたい」といったケースが見られるのも事実です。そのようなとき、予算などを抑えるために完全同居型の二世帯住宅リフォームを導入してしまうと、母親がストレスを抱えてしまい結婚生活が破綻してしまうリスクも。

そのため、プライバシーを重視したい場合は完全分離型や部分共有型を選ぶことが大切です。家族のニーズを考慮して、お互いの意見をしっかりとすり合わせたリフォーム計画さえあれば、快適な二世帯住宅生活を実現できます。

将来性を踏まえた計画

二世帯住宅リフォームを行う際は、将来の変化や、ニーズの予測が大切です。具体的には、介護が必要になる世帯であればバリアフリー設計を導入したり、子どもの数や計画を踏まえて部屋数を変えやすい間取りにしたりと、将来性を踏まえた計画を立てましょう。

将来の変化に対応できる間取りを取り入れれば、長期的に住みやすいマイホームを導入できます。「子供の独立」「出産」「親世帯の介護」など、将来を踏まえた部屋数・バリアフリー設計を検討しておきましょう。

二世帯住宅リフォームはプロにおまかせを!

二世帯住宅では、「完全同居」「部分共有」「完全分離」などの間取りが代表的です。それぞれにメリット・デメリットがあり、各家庭の環境に応じた選択が求められます。

また、子どもの出産や独り立ち、親世帯の介護など複数の視点を踏まえたうえで二世帯住宅リフォームに取り組む必要があります。弊社では、すでに二世帯リフォームが施された中古住宅の紹介も可能です。また、どのようなリフォームを取り入れるべきかお悩みの方も含めて、ぜひ弊社スタッフまでご相談ください。